| 検査 | 分かること | 注意点 |
| クレアチニン | 腎臓のろ過機能の目安 | 筋肉量・水分状態などの影響 |
| SDMA | ろ過機能低下を示す補助指標 | 単独診断ではなく持続性を確認 |
| 尿比重 | 尿を濃くする能力 | 採尿条件や輸液の影響 |
| UPC | 蛋白尿の程度 | 炎症や血尿があると解釈に注意 |
| 血圧 | 全身性高血圧 | 腎臓と標的臓器のリスク評価 |
猫の慢性腎臓病は、クレアチニンが基準値を超えた日から突然始まる病気ではありません。
腎機能は少しずつ低下することがあり、筋肉量の少ないシニア猫ではクレアチニンだけでは変化が見えにくいこともあります。
そのため、SDMA、尿の濃縮能、蛋白尿、血圧、画像検査、そして過去からの推移を組み合わせて評価します。
🔎 アンシミが簡単に言うと:1枚の成績表ではなく、健康記録を時系列でつなげて見るイメージです。
猫のCKDでクレアチニンだけでは不十分なことがある理由
クレアチニンは便利な指標ですが、腎臓のろ過機能だけでなく筋肉量、水分状態、食事などの影響も受けます。
高齢で痩せた猫ではクレアチニンの産生量自体が少なく、腎機能が低下しても大きく上昇しない場合があります。
一回の「正常」という言葉より、過去から少しずつ上昇していないか、尿検査や画像に持続的な異常がないかを確認することが大切です。

SDMAとは?猫の腎臓検査で一緒に見る理由
SDMAは体内のタンパク質代謝で生じ、主に腎臓から排泄される物質です。糸球体ろ過が低下すると血中濃度が上がることがあります。
IRISは、SDMAが筋肉量の影響を受けにくい点を評価し、クレアチニンとの併用を推奨しています。
ただし一度高かっただけでCKDと確定するものではなく、持続性や脱水、併存疾患、尿検査などを合わせて判断します。
IRISステージ1〜4は「診断後」に使う
ここは飼い主さんが混乱しやすいところです。IRISステージは、CKDがあるかどうかを最初に決める診断表ではありません。
CKDが持続的に存在すると判断され、状態が安定している患者に対して段階化を行います。急性腎障害のように短期間で数値が大きく動く場合は同じ考え方で扱いません。
ステージは予後や管理の優先順位を共有するための“共通言語”です。
血液検査だけでなく尿検査が重要な理由
腎臓は老廃物を排泄するだけでなく、尿を濃くし、必要なタンパク質を体内に保つ働きがあります。
尿比重は濃縮能力、UPCは蛋白尿の程度を評価する助けになります。血尿や炎症、感染があると解釈が変わることがあります。
尿検査を組み合わせることで、血液検査では見えない腎機能の別の側面を確認できます。

血圧と画像検査も猫のCKD評価の一部
CKDの猫では全身性高血圧を伴うことがあり、目・脳・心臓・腎臓に影響する可能性があります。
超音波やX線は腎臓の大きさや構造、結石や閉塞などを確認する助けになります。
血液、尿、血圧、画像はそれぞれ違う質問に答える検査です。
SDMAとクレアチニンのステージが一致しない時
二つの指標が異なるステージを示すことはあります。
IRISは筋肉量や体型、年齢、併存疾患を考慮し、再検査で差が持続するか確認するよう勧めています。持続的に不一致なら、より高いステージを考慮して必要な管理を見落とさないようにする場合があります。
飼い主さんがどちらか一つを選ぶのではなく、獣医師が全体像を解釈することが大切です。
自宅で記録したい猫の腎臓病の生活データ
体重、筋肉量、食欲、嘔吐、飲水、尿量、活動性の変化は再診時にとても役立ちます。
猫は不調を隠しやすいため、週ごとの体重や食べた量の変化が早いサインになることがあります。
食欲が大きく落ちる、繰り返し吐く、強い脱水や元気消失、排尿困難がある場合は定期検診の日を待たずに受診してください。

アンシミの研究ノート:「正常値」よりその子の基準線
健康な時の検査データがあると、その猫自身の基準線を持てます。
定期検査を続ければ、基準範囲内でも上昇傾向にある変化を見つけやすくなります。
CKD管理は一番早い異常値を競うことではなく、長期の変化を見ながらその子に合う管理を調整することです。
🔬 獣医学根拠&参考文献
マゼンタラボ研究チームが関連する獣医学ガイドラインと専門資料を検証し、本分の主要内容を確認しました。
💡 この記事の獣医学的核心根拠
IRISはCKDの診断とステージングを区別し、安定したCKD患者ではクレアチニンとSDMAを補完的に利用することを推奨しています。さらに蛋白尿と血圧でサブステージングを行います。
⚠️ 獣医学的注意事項・個体差について
一つの数値だけでIRISステージを自己判断したり、腎臓食・輸液・薬を変更したりしないでください。急激な数値変化は急性腎障害や脱水など別の問題を示すことがあります。
専門獣医学ガイドラインおよび機関資料
※ 根拠水準はMagentalab独自の分類基準です。

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